2010年04月09日

個人の営業スキルと組織の営業力

営業マネジメントに焦点を当ててコンサルティングをしていると、個人の営業スキルと組織としての営業力が混同されていることが非常に多いことに気付きます。

 ある時、営業会議の生産性について議論していると、一人の営業マネージャーが「会議でどういう指示を出すかも重要だが、部下が客先で実行できるかというと、スキルが足りなくてできないことも多い。マネージャーはそこを同行するなりして範を示すべきだ。それこそがマネージャーの仕事だ」ということを言い出しました。

 この方かなりアクティブな方なので、社内で会議しているくらいなら、その時間客先にいくべきだという思いがあったのだと思います。※同じようなことを経営層の方が言っているケースも多くあります。

 誤解していただきたくないのは、シンキングリードではこのような価値観そのものを否定するつもりは全くありません。営業には活動量もKKD(勘・経験・度胸)も絶対に必要ですし、個別の営業スキルを高めていくためにはOJTが最も効果的でしょう。

 ただ、素朴なギモンをぶつけてみると、

「個人が素晴らしい営業スキルを持っていたとして、競合企業にはその人以上の営業スキルを持つ人は全くいないと言えるんでしょうか?」

「その営業スキルは、お客様が貴社から買うかどうかを決める際の決定的な要因なんでしょうか?」


個人の営業スキルと組織の営業力はまったく別物です。市場が右肩上がりに成長しているのならば、個人個人が研鑽を重ねるだけでも業績を伸ばすことは出来るでしょうが、市場の伸びが期待できず、売っている商品自体の差別化が困難な場合はどうでしょうか?

こうした市場の前提条件や、個人の能力と組織の能力の違いなどを全く整理せず、社内で声が大きい誰かの価値観に合わせて組織が進む方向を決めてしまうと、その取組みは失敗するか、あるいは組織の状態を悪化させる方向に導く可能性が非常に高くなります。
 
営業改革などの取組を進める場合、先ずはプロジェクトの関係者がこの点を理解しておくことが重要です。
posted by 徳田龍二 at 15:42| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月07日

まずは課題の認識から

組織を改革、改善しようとした時に、まず何から始めるか?
ありきたりですが、「まず自分達の課題を正しく把握する」事をお勧めしています。
(例外はありますの後述します)
「事務処理が多くて負荷が掛っている」「営業なのに会議が多い」「若手の営業が育っていない」etc・・・
これらの「問題」を表面的に捉えていたのでは、物事は一向に解決しません。
「問題」を解決する為に、何に取組まなくてはいけないか「課題」を明確にしてしっかりと取組んで行く必要があります。

問題が全く無いという企業は絶対にありえません。昔の公共機関の様に「国民へより良いサービスを提供する」とか「事務効率を高めて無駄な税金を使わない」と言った意識が全く無く、ただ決められた時間事務仕事をして給料を貰う事だけが目的といった組織でならその様な状態もありえますが、「より良いサービス」「より効率的な事務処理」といった健全な意思があれば、かならずその裏返しで「現状出来ていない事」=「問題」があります。その意味では問題が一杯ある事を悲観する必要は全くありません。むしろ健全と考えた方が良いです。

同時に「問題」というのは一般的に「結果」として起きて居る事を指しますので、「原因」や「プロセス」を見なければ治る事はありません。あたり前ですが、あるミスが起きた事に対して、「二度とミスするな!」と指示するだけでは改善されません。具体的にミスを防止する為に何をすべきか明確に指示する必要があります。しかしこれが組織レベルになってくると平気でこういう事をやってしまいます。

ある会社で実際にあったのですが、ワンマンの社長が「うちの営業は、事務仕事ばっかりで全然外出していない。なんとかしろ」と役員会議で怒鳴った事がありました。これは確かに事実ですし「問題」ではあるのですが・・・結果どうなったかと言うと、営業役員がそれまで日報も無かったのに、その日の活動を全て、詳細なタイムシートに記録する様に指示を出し、それとは別に経営企画部が、営業の事務処理がどの程度有るのか把握する為に、事務処理の内容、時間、手続き方法などを報告する様に営業部に指示。経理や人事からも自分達が関係している業務が負荷になっていない事を証明する為に・・・
哀れ、営業マン達は同じ様な報告を二つも三つもする羽目になって余計事務処理は増加してしまいました。

笑話しの様ですが、経営企画はワンマン社長の直轄組織なので、営業部としては何も言えず、営業役員は役員で、自分なりに成果を上げないといけないと思い必死なのです。他の部門も自分達が原因で事務処理が多いと言われたくない為に必死。
「私はこういった取組をやってます」と報告しないと怒られますから、一応、皆、社長の言う問題を解決しようとしているのです。

こういう場合ワンマン体質までは流石に変えられないと思いますが、明らかに組織としての意思決定のプロセスに問題があります。一般的には意思決定のプロセスに問題がある組織では、やたらとハンコを押す事が多く、非常に複雑怪奇なオペレーションをしていますので、事務処理が多いのも大抵はこの辺に真因があります。
逆からみればガバナンスに非常に問題があるとも言えます。(こういう会社では不正が起こり易い。)
この場合「会社の意思決定のあり方を抜本的に見直す」事が、この会社の「課題」と言えますね。

私の個人的な見識だと、最初に「課題」を明確にしていない為に失敗する改革プロジェクトが本当に多いです。「売上20%UP」とか「事務効率化」「顧客満足度向上」etcと言った、あいまいな言葉ばかりを並べて結局はITシステムの導入をゴールにしてしまい失敗するのです。この様な言葉では、そのプロジェクトでは具体的に何に取組のかが外(会社)に対しても内側(プロジェクトメンバー)も理解ができませんから上手く行く筈もありません。

大体は実際に取組んで行くべき「課題」はそれ程多くありません。「課題」を正確に捉えられれば、かなりの確立でプロジェクトは成功します。是非、しっかりと課題を捉える事の重要性を充分に理解して改革、改善に取り組んで下さい。(勿論、それでも乗り越えなければ行けない壁は一杯ありますが・・)


※さて、一番最初に課題をしっかり捉える事から始める事を勧めるが例外がある。と書きましたが、どういったケースでしょうか?それは企業の成長ステージがどこにあるか?によって決まります。
ベンチャー企業で、超成長ステージに居るのであれば「問題」が沢山ある事は承知の上で、あえてそれを無視して高い目標だけ与えてガンガン行った方が良いです。方向転換や別事業に乗り出す時もそうです。
例えば、マラソンを始めようと思った時、まずは42キロ完走するという目的であれば、細かい事を考えずに、ひたすら練習量を増やした方が効率的です。いちいちフォームとか呼吸法とか気にするよりです。
しかし、フルマラソンを3時間で完走というステージに入るにはそれでは駄目です。何処をどう直して、何処を鍛える必要があるか明確に把握して取組む必要があります。
同様に、企業でも成長期を抜けて、成熟期に来ていたら前だけ見るアプローチでは駄目です。具体的に何処をどう直して行かないといけないか明確に知る事から始める必要があります。
逆にベンチャーが壁を突破できずに、衰退していくパターンは、経営のオペレーションが前だけ向いてガンガンやってこう!から脱却できない事が原因になっているケースが多いです。
posted by 金丸隆 at 18:29| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月02日

マネジメントの評価基準作りに苦心

今日は朝からすごい風でした。せっかく満開の桜もかなり吹き散らされてしまったようです。昨日新社会人になったばかりの方も、交通機関の乱れでいきなり遅刻なんてあったのではないでしょうか。

さて、今進めている案件で、クライアントのマネジメントの評価基準を作るのにかなり苦心しています。マネジメントイノベーションというサービスはシンキングリードのオリジナルで、当然ですがプロジェクトで作るマネジメントスタンダードも完全にクライアントのオリジナルとなるものを作るので、ゼロから作るのは大変ということもあります。でも今はそのフェーズは終わり、そのスタンダードが実践されているとはどういう状態か、それをどうやって確認するのかのベースを作っているのです。

表面的なKPIでお茶をにごすことは簡単です。案件数や訪問件数が増えていたらマネジメント出来ていると評価するとか・・・でもいくらKPIが見える化されたところで人や組織は変わりません。評価の基準はもっと本質的な内容で、厳しく、それでいて主役となるクライアントのマネージャー達がそれを見たときに、「大変だけどこれをちゃんとやったら、自分たちは必ず良くなる!」と思えるようなものを作り上げていきたいと思っています。今はその産みの苦しみですね。
posted by 徳田龍二 at 20:34| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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