なぜCRMの効果の説明は難しいのでしょうか。どうすれば経営者を納得させることができるでしょうか。
比較的効果の説明が容易なのは、どれだけコストが削減出来るか、です。例えば顧客に毎週送っているメールマガジンの運営業務が担当者のアナログ作業になっており、手間がかかっている上にミスも多い、あるいは経営資料作成のために営業が毎月あるいは毎週1時間以上作業をしているなど、現行の業務をCRMシステムに摘要させて運用することで、削減できるコストは意外とバカになりません。また、システム化されることによる機会損失の削減もあります。例えば、メールマガジンの配信停止依頼への対応が漏れてクレームとなり、将来の顧客を失ってしまうことや、本来営業が対顧客の活動をしていたはずの膨大な時間を考えると、単純な計算には現れない効果も大きいはずです。
ただ、こうした考え方自体は正しいのですが、実際に企画書をまとめて経営者にぶつけたとしても「今のやり方で回ってるなら新たに投資する理由はない」との一言で切り捨てられてしまう可能性が高いでしょう。なぜならば経営者がCRMに期待するのは「今のうちのやり方は古いからシステム化しましょう」といったレベルのコストの削減ではなく、投資することでこれまで以上に商品が売れて、売上や利益が上がることだからです。何とかして、「CRMで売上あがるのか?」という問いへの答えを用意しなければ経営者は納得しないでしょう。効果の説明が難しいのはこの点にあります。 長くなるので続きは次回にしたいと思います。
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