2010年05月20日

営業会議 〜会議の目的は明確か?〜

 多くの企業の営業組織に関わっていると、営業会議の様子を見れば大体その組織のレベルが把握できます。感心するような会議運営をしている組織は少ないのですが、生産的な会議を行っている組織にはいくつか共通項があります。そのひとつが「会議の目的が明確」であるということです。当たり前のことのようですが、実際に「この会議の目的は?」と尋ねると「組織の情報共有です」といった回答が多いのです。では何のために情報共有するのか?あえて会議という形で共有しなければならない情報とは何か?そうすることでその会議によってどのような成果が得られるのか?しっかりと考えられた会議では、進行の様子を見るだけで目的が伝わってきます。

 逆にあまりにお粗末な会議をしていると、わかりやすいコンサルタント(「先生」と呼ばれるような方が多い)から「会議の目的は成果(売上など)に決まっておろうが!バカモン!」などと怒られ、次からそのコンサルタントが提供するExcelシートに予算達成状況や売上見込などの情報や、問題点、対策案などをしっかりと埋めて、それを使って会議をするように矯正されたりします。(こうして営業担当の社内作業がまた一つ増えるわけです。)
 
 会議の目的について、結果として売上や顧客満足の向上といった成果を見据えることは当然ですが、それを目的と言われても正直ピンと来ません。では会議の目的とは何か?そもそも組織には継続的に成果を上げていくために立てる様々な計画(例えば中期◯カ年計画や今期重点施策、あるいは目標予算を達成するためのアクションプランといったもの)があります。これらをを実行していくためのチェック、アクションはどうあるべきか?その中でどのような会議が必要で、それぞれの会議が果たす役割とは何か?ここが組織の中ではっきりと共有されていることが会議の目的が明確ということではないでしょうか。
 
 こうした議論無しに営業会議のあり方を現場のマネージャー任せにしておいても組織としての能力はなかなか向上していきません。かと言って前述のコンサルタント謹製の◯◯管理表なるExcelシートで枠にハメようとしても、肝心の考え方は理解されず、マネジメントの能力も上がりません。結果的に現場に取ってはまた余計な作業が増えたということになる可能性が高いでしょう。会議そのものはマネジメントモデルの1要素に過ぎませんが、組織の問題が如実に現れる部分でもあり、その生産性を如何にして高めるかというのは重要な課題です。
posted by 徳田龍二 at 18:31| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月07日

マネジメントモデルとKPI

マネジメントモデルを展開・浸透する上で、明確な評価基準を作成し、実践出来る人間が他のマネージャーが定められたマネジメントを実践出来ているかどうかを評価、指導することが結局最も近道であるというのが我々の考えです。
この取組みと合わせて、もう一つ重要なことがあります。あるべきマネジメントモデルの実践状況とそれが本当に成果につながるものとなっているか?これ自体をしっかりと検証するということです。検証にあたっては、売上や利益など結果の指標だけではなく、実際にマネジメントが変わったのか?それによって営業担当者の行動は変わったのか、といったKPI(key performance indicator)を定め正しく仮説を検証していかなければなりません。

正しくとあえてつけたのは、実際にKPIを定め、営業現場の「見える化」を実施している企業で不適切な運用をしているケースが多いからです。極端な例では下記のようなイメージです。

「わが社が目標を達成するために、各拠点毎に目標からブレイクダウンした重要顧客に対する訪問件数や案件数をKPIとして毎月チェックする。規定のKPIに達していないマネージャーは降格も含めて処分を検討する!」

お気づきでしょうか?仮説を検証するための指標に過ぎないKPIがいつの間にか目標、あるいはノルマと言ってもいいかも知れませんが、すり変わってしまっています。KPIを現場の尻をたたく材料に利用すること自体は否定しませんが、仮説の検証が伴わなければ全く意味のない行為になってしまいます。あるいは現場ではあるべきマネジメントの本質的な考え方は理解せずにただ与えられたことだけをやろうとするか、嘘の報告をしてKPIだけ取り繕ろうだけでしょう。

KPIを新たなノルマとして現場に課すのではなく、実際に現場のマネジメントは変わったのか?変わっていながら重要顧客への訪問件数やそこから発生する案件などの結果につながっていないとすれば何が問題なのか?これは指標からは判断出来ません。実際に現場でマネジメントのやり方を見て、問題点を明らかにする必要があります。その上で指導や新たな対策を施す。ここの重要性を決して見落とさないで頂きたいと思います。

ちなみにKPI自体はわかりやすいグラフなどで表されるケースが多いですが、グラフの持つインパクトは実際に大きいものがあります。ITベンダーがツールの有効性をアピールする際にもダッシュボードなどグラフによって「見える化」された状態をプレゼンしますが、見える化されればマネジメント力が上がるかのような錯覚を与えているという意味では罪深いことです。マネジメント力を高める取り組みというのはもっと泥臭く、手間がかかり、忍耐を要するものであることは理解しておくべきだと思います。
ラベル:KPI
posted by 徳田龍二 at 22:45| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月26日

マネジメントモデルの展開と浸透

前々回マネジメント力を組織的に高めるために、マネジメントモデルが必要であると書きました。マネジメントモデルには営業戦略や顧客、案件などの切り口毎にPDCAの考え方やTodoが定められ、マネージャーが日々、週次、月次あるいは期単位で何をすべきかを規定します。このマネジメントモデルを作成する過程では、組織の優秀なマネージャーが日々実践していることを共有可能なナレッジとして表出することになります。アウトプットとしてはドキュメントの形になりますが、これをどうやって展開し、浸透させていくのが良いのでしょうか。

ドキュメントを作って「これがわが社のマネジメントモデルです。遵守して下さい」と言ったところで、机の引き出しにしまいこまれてホコリをかぶるのがオチでしょう。これでは全く意味がありません。

マネジメントモデルの展開と浸透には2つの要素が必要であると考えています。一つは、そのマネジメントモデルを実践出来ていつということはどういう事か?その「評価基準」を定めることです。例えば、全社的な重点施策について、末端の担当者まで自分がやるべき事をしっかりと認識して行動させることが求められているのであれば、その要求事項を実践出来ているかどうかを確認するために、部下に直接インタビューしてしっかりと答えられるかどうか確認する、などということです。これらの評価基準をマネジメントモデルの各項目について作成します。

もうひとつは、そのマネジメントモデルを「実践出来る人」が評価するということです。マネジメントという行為は、人が人に対して実施するものです。それを評価項目を作ったからと言って、「出来ている、出来てない」を自己評価しても全く客観的なものにはなりません。部下とのコミュニケーションの取り方や、生産性の高い営業会議のやり方など、ある意味出来る人が他の人のやり方を見て評価するのが実は最も客観的だったりします。シンキングリードのMifs(Management Inovation for Sales)プログラムでは、クライアント組織の中に「認定マネージャー制度」を設けて、マネジメントモデルの展開・浸透にあたって、他のマネージャーに対する指導・評価を行う仕組みを作ることを行っています。これはシックスシグマの「ブラックベルト(黒帯)」などの手法を参考に創り出されたもので、マネジメントモデルの展開・浸透の一つの形だと考えています。
posted by 徳田龍二 at 10:07| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。