2010年04月20日

マネジメントモデルとは

マネジメントはPDCAサイクルで表現されます。では営業組織における”P(計画)”とは具体的には何か?大きな計画としては中期計画や営業戦略・重点施策、現場にとって身近なところでは、期初に与えられる予算目標も計画です。顧客をいかに攻略・あるいは深耕するかというアカウントプラン、あるいは今ある案件を受注まで持っていくための計画もあります。部下の育成計画を作っているところもあると思います。他にも日々の行動計画など、組織には様々な計画があります。これらの計画について、Dは日々の営業活動に集約されるでしょうが、それぞれどれくらいの頻度で何をCheckし、どのようにActionに移すべきなのか?それは会議形式なのか、CRMなどのツールを使うのか、あるいは朝礼がよいのか?

立てられた計画のCheck、Actionについてマネージャー任せだと、計画倒れのPになってしまう可能性が非常に高いでしょう。あるいは各計画について定期的に定形の書式で報告をさせている、というところもあるかも知れませんが、報告のための報告になっているというのが実態だと思います。実際に重点施策の進捗状況を全マネージャーに定形の書式で毎月提出させている企業では、マネージャーは提出のタメだけに数時間かけて資料を作成しながら、その資料を使って部下と会話しているケースはほとんど皆無という実態が明らかになったこともあります。

また、「重点施策」として新規顧客の開拓や、取引シェアの少ない顧客の攻略を掲げている場合、その位置づけをどう捉えるかもマネジメント上非常に重要です。試しに「重点施策は何のためにあるか?」という質問を現場マネージャーにぶつけてみると、「売上のため」「予算達成のため」など答えがバラバラということがあります。新規顧客の開拓などは時間がかかるため、売上や予算のためであれば、関係の強い既存客にアプローチする方が合理的なはずですが。。

実際には「調子のいい時こそ新規をやって欲しい」「中長期的な視点で継続的に成長するために」といった思いが施策に反映されているわけですが、それが伝わっていないケースも多いのです。

単にPDCAの体裁を取り繕うのではなく、経営者の思いや上位の営業戦略から現場マネージャーに求められる役割を明確にし、その中でマネージャーがもっておくべき考え方ややるべき事、どのような工夫が求められるか、それを組織として規定したものが「マネジメントモデル」です。マネジメント力を組織的に高めていくためには、このマネジメントモデルを明確にすることが先ず第一です。

次回、このマネジメントモデルとマネジメント力を高める取り組みについて書いていきたいと思います。
posted by 徳田龍二 at 21:04| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月16日

マネージャーの役割

前回、営業現場のマネジメントがバラバラでは営業の生産性向上は難しいと書きました。そして顧客の購買心理に応じた資源の投入ができるようなマネジメントモデルの確立が重要という結論でした。

では、マネジメントモデルとはどのようなものか。それを考えるためにまず、マネージャーの役割について少し考えてみます。

組織の中には様々なタイプのマネージャーがいます。「結果が全て」と言い切り、結果しか見ないタイプ、部下のマネジメントなどそっちのけで日々自ら駆け回っている単なるトップセールス、あるいは分析大好きで様々な帳票やグラフを駆使する理論派などなど。特に日本においては、営業として実績を上げた人間が評価されてマネージャーになるケースが多いので、マネージャーとなってからも自ら先頭に立って数字を稼ぐマネージャーが多いように思います。前出のマネージャーも部下の面倒見は良い方ですが、このタイプで、彼らはチームに厳しい目標が与えられると、自分をチームの中で一番稼ぐプレーヤーとして計算に入れてしまう傾向があります。しかしそれでは結局個人のスキルに依ることになり、個人のスキル総和=組織の能力となってしまいます。

部下のスキルUPは確かにマネージャーの重要な役割ですが、もうひとつ役割をおさえて置く必要があります。それは「資源の配分」です。

資源の配分が組織の能力にどう影響をするかを分かりやすくするために単純化した例で説明します。チーム内で俗にいう2:8(2:6:2)の法則通り2人の優秀な営業と6人の普通の営業、そして2人のダメ営業がいるとします。市場には100の購買ポテンシャルを持つ顧客が100社あり、それぞれが10社を担当しています。優秀な営業は、100の購買ポテンシャルから80の受注を取れるスキルを持つ営業です。普通営業は40、ダメ営業は10です。このままだと、個人のスキル総和=組織の能力であり、トータルの受注は4200になります。しかし、担当顧客の配分や役割分担を工夫することで、個々のスキルアップに頼らなくとも5000、あるいは6000の受注を取れるのでは?と考える、これもマネージャーの重要な役割です。(下図)

図1.png

あるべきマネジメントモデルを作っていく上で、まず前提となるマネージャーの役割を明確にすることが必要でしょう。それは、「部下に範を示す」や「部下を育成する」あるいは「目標を達成する」といった、手段や目標そのものでは表現できていないと思います。本質的なマネージャーの役割とは、手段や目標を全て踏まえた上で、「与えられた資源で最大の営業成果を上げる」ということではないでしょうか。
posted by 徳田龍二 at 22:02| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

マネジメントモデルの確立が重要

前回営業組織の能力を左右するプロセスはその組織内には存在せず、あくまで顧客側に購買プロセスがあると書きました。それゆえに「営業プロセスを標準化する」といった取組みは本来は営業の生産性とはリンクしない。とすれば何が必要なのか?

まず、顧客の購買プロセスとは何か、これはAIDMAモデルなどで表現される顧客の「購買心理」と言えます。しかし心理というと実に漠然としてはっきりとしません。実際の営業現場において顧客と向き合った際、センスの良い営業は相手の立場や表情、あるいは言葉の端々から顧客が本当に商品を欲しているのかどうかなどを見極めようとしますが、これは簡単なことではありません。極端な話、相手がその日の朝奥さんと喧嘩して機嫌が悪いとか、前日飲みすぎて実は二日酔いとか、全く営業担当者や商品とは関係のない要因で結果が違ってくることもあります。このように不確実ではっきりとしない顧客の購買心理(プロセス)を把握し、それに応じた対応を行うためには、高度な「情報収集能力」とその情報を駆使して最適な対応を導き出す高度な「判断力」が必要になります。

これらの能力を組織的に向上するのに、特に縮小する市場の中で個人のスキルアップ(資源)だけに頼るのは実に心もとない状態です。より組織的にその時々の状況における顧客の購買心理(プロセス)を把握し、それに対応した資源を投入する、そうしたマネジメントモデルを確立することこそが重要ではないでしょうか。

ここに視点をおくと、営業改革を掲げつつ、失敗してしまう取組では何が一番大きな問題だったか説明がつきます。コンサルを使って見栄えのする戦略を作っても、営業プロセスマップなどを定めても、あるいはCRMやSFAなどのツールを導入しても、いくら見える化したとしても、肝心の営業現場のマネジメントがどうあるべきかという議論が全くないまま、個々のマネージャーが自分のやり方でバラバラにマネジメントしていたのでは営業の生産性向上にはつながっていかないのです。

次回以降は少し具体的に、マネジメント能力を高めるための取り組みについて考えていきたいと思います。
posted by 徳田龍二 at 10:39| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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