2010年06月11日

マーケティングと営業A

さて、前回営業組織に対して、マーケティング的な観点から施策を出しても結局は不実行になる事が多い。また結局その状況を生み出しているのは、営業パーソンの個人の資質というより、経営者自らが生み出してしまっているケースが多いと書きました。
今回は、経営者視点からどの様な解決策が考えられるか書いてみたいと思います。

まず、一番手っ取り早い解決方法があります。
そもそも、実行されない施策など、もう止めてしまう事です。
そんなアホな。と思うかもしれませんが、私はかなり本気で多くのケースでそうした方が良いとも考えています。
施策を出す際には、企画部あたりが結構な工数を使って策定しますし、現場の負荷も相当なものです。
結果として実行されない事でこれらに掛るマンアワーコストはドブにすてられる事になりますから、中途半端に実行もされない施策を乱発して、無駄なリソースを使う位なら、初めからそんな事は考えもせず。やらせもせず。の方が遥かに良いです。
もちろん、単に施策を出す事を止めるだけでは、問題の解決策としては答えになっていません。
マーケティング云々の前に、一度営業の体制をフルコミッション型にする(戻す)のも一つの手でしょう。

フルコミッション型の営業というのは、完全に実績と、報酬を連動させてオペレーションするやり方です。今でも保険業界のセールスなどはこのやり方が主流です。このやり方のメリットとしては、当然個々人の成果に対するモチベーションは高くなります。また余計な策を労する必要は無く組織運営は単純です。施策実行の際のインセンティブを高くする事で、ある程度マーケティング戦略と連動した動きも可能になります。成果を上げられない人は半自動的に退職していきますし、成果が上げられる人は高額な報酬を手にしますので、高いモチベーションを維持します。

デメリットとしては属人性が高くなり、情報共有や組織で対応すると言った動きは無くなってきます。また、成果を上げる為には、顧客の事を考えるより「如何に売り込むか」を基準に考えますので、いわゆる押売り型の営業が横行します。当然ですね。「如何にして数字を上げるか?」しか考えませんから。
駄目じゃないか?と思われるかも知れませんが、最近、色々な経営者の方から「基本的な営業マインドすら持っていない人間が多い」という話しを伺います。
果たして、私の方で現場の方をモニターしてみると「確かに・・・」と思った事は少なからずあります。私個人の考えを申し上げるならば、フルコミ営業も決して悪い面ばかりではありません。

「基本的な営業マインド」とは何なのかはここで細々は書きませんが、一言で言えば「プロ意識の欠如」でしょう。ここ10年来散々言われてきた、「属人営業から組織営業」、「結果よりもプロセス」、「科学的な営業」、「物売りからソリューション営業へ」。等々の言葉が中途半端に浸透してしまった為、この様な状態を引き起こしているのでは無いかと洞察します。
デメリットにはあえて目をつぶり、フルコミッション型の営業スタイルにする事で、本質的な問題が解決できる部分がある事は認識しておいて欲しい所です。「四の五の言うより、営業は売上を上げてナンボ」の世界ですね。

さて、上に書いた様なやり方は、ショック療法的であり、正直あまり良策とは呼べない事も事実ですので、また次回、別の解決策を書きたいと思います。
posted by 金丸隆 at 19:29| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月01日

マーケティングと営業@

開発や製造などの部門に居ると、マーケティングと営業というのは近い職種だと思われがちですが、実はその体質は全く異なる物です。ただ、ややこしい事に広義でマーケティング活動というのは事業そのものの事を指しますので、営業はマーケティング活動の一環であり、マーケティング組織の中の一チャネルに過ぎないという言い方もできます。
こういう事をストレートに営業パーソンに言うと「マーケティングなんて「広告・宣伝」しているだけじゃないか!俺達は会社の売上を作っているんだ」と怒られますが大いなる誤解で、逆にこの辺の感覚のズレこそが営業の改革が進まない原因の一つでもあり、企業が「適切なマーケティング活動」を行う際に一番の抵抗勢力となるは、開発や製造では無く、実は営業だったりします。

よくトップセールスマンで「この会社は俺が支えているんだ」的な発言をする人も居ますが、間違いです。
お客様がお金を支払っているのは、あくまで製品やサービスに対してであって、営業マンの営業行為に対して払っているいる訳ではありません。ですからトップセールスの人というのは効率良いPromotが出来てる人だという事になります。
会計上も営業掛るコストは原則「販売管理費」に計上され、原価には含まれません。
逆に言えば、営業という人間によるFaceToFaceのチャネルを使わなくても効率の良いPromotが出来るのであれば、いわゆる営業組織を作る必要は全くありません。事実、BTOのパソコンメーカや、ネットショップ、カタログ通販、TVショップなどなど、Webやカタログ、コールセンターなどを駆使して販売員や営業マン無しで事業を展開している企業は一杯あります。
いわゆるコンシュマー(一般消費者)向けのコモディティ化された商品だけだろう?と、思う方が居るかもしれませんが、BtoB領域でも、専門商社などでは、原則カタログとコールセンターだけで活動している企業もありますし、一品一様の特注品ばかりをコールセンターで受けて事業を展開しているメーカもあります。(その企業にしか作れないので、引合が来る)
特にネットが進化するにつれこの様な形(営業組織を持たない事業展開)は、今後あらゆる業種に広がっていくでしょう。もちろんこの様な事はくどく説明しなくてもある程度経営的視点を持った方なら常識だと思いますので、特に既存のFaceToFace営業活動の重要性を否定したい訳ではありません。

ただ、正しい経営的視点から物事を見ずに、目先の事を見過ぎてしまい、「俺が会社を・・・」的な発想をしてしまうのは、改革を妨げる要因となります。

さて、広義でのマーケティング活動という視点から離れ、企業内の機能的な面から組織を見ると、最初に書いた様に実はマーケティングと営業というのは考え方が根本的に異なっています。活動の価値基準が違うと表現した方が良いでしょうか。
一番の違いは時間軸の違いです。一般的なマーケティング組織※というのは、かなり中長期な視点で物事を考えます。1〜3年位と思えば良いでしょうか。マーケティング組織というのは「将来のお客様を相手にしている」と表現できます。一方の営業組織というのは、月や半期という単位、長くて年度という単位で物事を考えます。営業組織は「今のお客様を相手にしている」と表現できます。
※単にDMを出すとか、アウトバウンドコールをするだけのマーケティング組織の事ではありません。この様な組織は機能的に見れば、むしろ営業支援と呼んだ方が近いでしょう

先に書いた、「今のお客様」に対してもネットやコールセンターを駆使して対応するというケースを除けば、どちらも企業の活動において重要な機能である事は間違い無く、「将来のお客様」に対してのPromotionばかりで、今欲しいと言っているお客様への対応がおざなりでは売上は上がりませんし、逆に「今のお客様」ばかりに目を向け「将来のお客様」を作っていく活動をしなければ、直ぐに事業は尻すぼみになります。
当り前の話ですが、現実問題としてこの二つの組織が上手く連携できない事が課題になっているケースは多いです。例えばTVドラマなどで、若手の主人公が画期的な企画を考えても、営業の人から「こんな物売れるか!」って相手にされず苦労する。なんてシーンがあります。「将来のお客様」のニーズは解り辛く、ある意味未知の領域ですからどうしても数字を作らないといけない営業の人達は、「今のお客様」を基準に物事を判断してしまいます。「営業は保守的」と言われるのもこのせいでしょう。

特にBtoB企業の多くは、マーケティング組織を作らず「将来のお客様」も「今のお客様」も営業組織が担っている事が多いので、この場合どうしても営業の理論が優先されてしまいます。即ち「将来のお客様」を見ずに「今のお客様」ばかりを見てしまう現象です。

解り易い例で言うならば、マーケティング活動を行う際にターゲティングを行う事は基本中の基本です。どの市場、どのお客様をターゲットにするか?ですね。BtoBに特化して書きますが、顧客が法人企業であれば、教科書的に言えば、自社の商品を買ってくれる要素が高い顧客。即ち、購買ポテンシャルの高い顧客で、且つ自社のシェアが低い顧客は、一番のターゲットになります。常識ですね。

しかし、これが営業的発想で考えるとどうも違ってきます。営業にとって重要なのは「今直ぐ買ってくれそうな顧客」であって、必ずしもポテンシャルが高い顧客がターゲットとなる訳ではありません。人的ネットワークも殆ど薄く、競合がガッチリと抑えてしまっている顧客に通って、相手にもされず骨を折る位なら、購買ポテンシャルはさほど無くても、人的ネットワークもしっかりと構築できていて、予算を取ってくれそうな目の前の顧客の方を重要視してしまいます。
もちろん、一部のトップセールスになって来ると、目の前の顧客からしっかりと数字を上げながら、将来の顧客への種まきもバランス良く行う事が出来る為、常に安定した売上を上げる事ができるのですが、こういう稀な人材のみを頼りに経営をする事は頂けません。だからこそ、組織として決められた「重点先」「ターゲット先」を優先して回れ!と施策を出して檄を飛ばす訳なのですが、これは理想論として正しくても現実論として間違えてしまっています。
実際問題、期末になって売上が大幅未達になりそうだとどう指示がでますか?(出しますか?)殆どの営業組織では「兎に角なんでも良いからあと○億円積め!」ってやります。
期末には顕著になりますが、最近は決算のサイクルも短くなってますから、4半期、月間という単位で、数字を求められます。その状態で「将来の顧客」の事を考えて動けと指示をされても出来る訳ありません。いわゆる「計画のグレシャムの法則」になにより陥り易いのが営業組織であり、それを招いている原因は、口では長期的な視点と言いながら、こと営業に関しては、ついつい目先の数字ばかりを追わせる指示を出してしまう経営者に問題があると言っても良いかもしれません。現場の営業担当者の資質を嘆いている経営者が多いですが、どちらかというと経営者が自ら不作為を生んでしまっている事の方が多いです。

この問題をどう解決すべきかという話ですが、とは言え、実際に経営する上で「売上」は全ての源です。「売上」が上がらなければ、利益もへったくれもありません。目先の売上を捨ててまで中長期での視点に立てと指示するのは、容易ならざる決断ですし、現実問題としてそれが許される状況では無いという場合も多いでしょう。

少し長くなりそうなので、また次回、この問題の解決する方法を書いていきたいと思います。
posted by 金丸隆 at 12:07| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月28日

電話とメールと○○ッター

たまには軽い話題も書いてみたいと思います。

私は起業する前は名古屋で二年間ほど勤めていたのですが、東京に戻って来て二年経って自分自身のある変化に気が付きました。それは、お客様やパートナーさんなどとのコミュニケーションの中心がeメールになっているという事です。名古屋に居た時は圧倒的に電話が中心で、eメールはあくまでコミュニケーションの補助ツールという扱いでしたが、こちらでは全く逆になっています。
(おいおい、今時コンサルがブログ書くのにeメールが話題かよ・・・「Twitterを活用したマーケティング」位の事書けよ!と言う声が聞こえてきそうですが。私自身Twitterあまり活用できていないので、とても、とても、これはもう多分性格的なもので、顔の見えない相手とコミュニケーションするのがとっても苦手なんです。)

で、なぜ東京に戻ってきたらeメールなのかって言うと・・・多分これはもう文化の違いなんでしょう。良くマニュアル本には、電話はこう使って、eメールはこういった場面で使いなさい。的な事が書かれていますが、基本的に私の場合、相手の方それぞれの性格やら、忙しさ、親密度やらを考慮して使い分ける様にしてますので、自分の中で画一的な対応方法がある訳ではありません。相手の方に併せてコミュニケーションツールを使い別けていたら、自然と東京だとeメールが中心になっていた。という感じです。
やはりこちらでのビジネスは少し忙しない所がありますので、私自身アポイントの調整などに関しては、圧倒的にメールで頂いた方が助かります。

それにしてもつくづく思うのが、成功されている方、社会的な地位の高い方はeメールのレスポンスが早いです。多少例外がありますが。一方でその逆の方・・・と言っては失礼ですが、非常にメールのレスポンスが悪い方も居ます。二三日後とか、返事無しとか。

多分こういう方は「忙しい」事を理由にしていると思うのですが、社外の方とのコミュニケーションというのは何よりも優先すべき事項です。電話して折り返し頼んでいたら一週間後に掛ってきた。なんて対応されたら、その人物どころか会社としての体質そのものが疑われてしまいます。eメールもこれ程当り前なビジネスのコミュニケーションツールとして普及した以上、頂いたメールを放っておくという行為はこれと同様の事だと思った方が良いでしょう。
そんな事当り前じゃないか!と思われるでしょうが、この人とは仲が良いから・・・重要なお客さんじゃないし・・・自分より社会的地位が低いから・・・・緊急のメールじゃないし・・・と勝手にプライオリティを付けて平気で返事を後回しにしてしまう人がまだまだ居るのが現実では無いでしょうか。正直、先に上げたレスポンスの早い方の方が、何十倍も重要なミッションを背負い多忙であると同時に当然ですがメール量も凄まじい量が来ます。だからこそ逆にメールもどんどん捌いて行かないと他の事が出来ないという面もあるとは思いますが、思い当たる人は「偉い人は忙しいのに何故メールのレスポンスが早いのか?」という事をしっかり考えて見た方が良いと思います。

それにしても、困るのがいわゆるスパムメールの類ですね。まあスパムと呼んで良いのかどうかは解りませんが、いわゆるメルマガ。メールDM。セミナーの紹介。とかが、ここ数年で急激に増えた気がします。展示会なんかで名刺をばら撒いた日には凄い事になります。フィルタを使って仕訳しても全然間に合わない。これこそ随分前から言われていた「メールマーケティング」が本格的に普及してきた証なんでしょうが、中にはより目立とうと如何にも知合いからのメールっぽく装って来るやつもありますので質が悪いです。

これからはTwitterやSNSを活用したソーシャルCRMが本格化すると言われてますが、どうなんでしょうか?アメリカなど圧倒的に個人をベースに仕事をしている人達と日本では大分事情が違いますし、変な商業主義に侵されると、楽しかったツールが・・・(セカンド○イフ)という事にも成りかねないですよね。「Twitterでひと儲けしてやろう」的な鼻息の荒い人からは「お前はだから駄目なんだ!コンサルは目立たなきゃ!」とか言われそうですが、私は乾いた関係を広く浅く持つよりも、ビジネスでも、深くお互いの為になる付き合いを広げて行きたいと思ってます。

Twitter自体は全く否定してないですし深い付き合いにならないという意味でもありません。ただ、メールマーケティング宜しく、TwitterコンサルとかSNSコンサル見たいな人が、うようよと湧いてきて「これから企業が生き残るにはソーシャルCRMを活用せよ!」みたいな事になるのもどうなんでしょうね?と思う日々です。

終わり。
posted by 金丸隆 at 13:44| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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